G大阪MF今野泰幸(32)が、意地の1発を決めた。ホーム鹿島戦の前半41分、FKからのこぼれ球をきれいに合わせて、先制。後半7分には、MF遠藤保仁(35)がPKを決め、2-0で勝利。2位に浮上し、第1ステージ優勝へかすかな望みをつないだ。

 雨が上がった万博。神々しく輝く満月が今野を照らした。前半41分、左サイドでFKを獲得。キッカーのMF遠藤が上げたボールはGKにはじかれたが、こぼれ球を今野がゴール左に決めた。

 「全然狙ってない。シュートというか、パス、クリアの感覚に近い。(ボールが)目の前にきたんで、偶然ですね。ただ足を動かしただけ」

 さらに後半7分、宇佐美がペナルティーエリア内で倒され、PKを獲得した。これを、“職人”遠藤がGKと反対方向のゴール右へ落ち着いて蹴り、追加点。鹿島の勢いを完全に止めた。

 今野は常に自然体の男だ。G大阪へ加入した1年目の12年、J2降格を味わった。「あれほどつらいことはなかった」。思いをため込むタイプだったが、そばにいた遠藤へその時の感情を素直に話した。「ヤットさん(遠藤)は何を話してくれたか忘れたけれど、すっきりした」。それから、自分の意見を素直に話そうと誓い、首位浦和と勝ち点9差に開いたときも「第1ステージ優勝は諦めていない」とすぐに言い切った。

 望みをつないだ。次節、引き分け以上で浦和の優勝を阻止できる。長谷川監督は「非常に大きな勝利。残り4試合、最後まで諦めず、優勝目指して戦っていきたい」。遠藤も「自分たちは勝つことだけ」と、諦めなかった。これでチームは、暫定ながら2位に浮上。浦和より1試合多い中、勝ち点差は7に縮んだ。昨季は最大14あった勝ち点差をひっくり返して、頂点に立った。逆境での強さはG大阪自身が知っている。【小杉舞】