J2山形の高卒新人FW永藤歩(18=市立船橋)が18日、天童市内で行われたJ3盛岡との練習試合で90分間フル出場し、1得点を決めた。前日17日の札幌戦の途中出場でプロデビューを果たした勢いそのまま、得意の高速ドリブルでピッチを縦横無尽に切り裂き、次節23日のアウェー岡山戦に向けて猛アピールした。

 十分なアピールだった。練習試合の1本目38分、左サイドハーフ(SH)の位置から駆け上がり、FW林から受けたパスをファーポスト右隅にループシュートを打つ。「GKが完全に前に出ていた。上を狙えば入ると思った」。相手GKの位置取りを冷静に見極め、ゴールネットを揺らした。

 ボールを持てば遠慮なく高速ドリブルを仕掛ける。「小学校の時からずっとドリブルをしていた。持ったらまず仕掛けたい」。相手が疲れ始めた2本目終盤、センターサークル手前から、相手ペナルティーエリアまで独走するなど、持ち味を発揮した90分間だった。

 システム変更は大歓迎だ。4バックのシステム4-2-3-1は高校時代から慣れ親しんでおり「やりやすい。2列目ならどこでもできる」。この日はともに4バックで臨み、1本目は左SH、2本目はトップ下で出場し、高い順応性を見せた。石崎信弘監督(58)も「ドリブルはできている。そこでパスを出せれば」とさらなる期待を掛けた。

 弱冠18歳の大物ルーキーの高速ドリブルが、山形の攻撃陣に幅をもたらす。「キャンプから比べて自信がついてきた。前を向いてボールをもらえれば、仕掛けられる。とにかくメンバーに入って必死にやるだけ」と次節岡山戦を見据えた。“山形のドリブラー”永藤が、チームの窮地を打開する。【高橋洋平】