浦和MF李忠成(30)が、鬼気迫る猛プレスと技ありアシストで、チームを首位に押し上げた。「今日は大一番で、コンディションがどうこうという試合ではないと思っていた」と言う通り、シドニー遠征から帰国後中2日とは思えない勢いで、終始前線でのプレスを繰り返した。

 後半は川崎Fが中盤中央に人を集めた分、ボランチのMF阿部、柏木が数的不利になる場面も続いたが、李が前線から猛然と走り戻って助太刀。ピンチを何度も未然に防いだ。

 攻撃面でも、前半29分にはFW興梠のシュートがクロスバーをたたいた跳ね返りに、鋭く反応。身体をうまく倒しながら、ボレーで押し込みにかかったが、惜しくもゴール左に外れた。「すごく難しかったけど、決めたかった」と悔しがるが、なおもチャンスを狙った。後半9分にはDF森脇のグラウンダーのクロスを、左足のヒールで角度を変えて、右斜め後方のMF武藤へパス。決勝弾をアシストした。

 「川崎Fもいいチームでしたが、僕らはそれほど慌てることはなかった。スタッツを見ても、相手を運動量でも、スプリントの回数でも上回っていた。それが結果につながったのだと思います」。個人的にも、柏木、阿部に次ぐ走行距離11・339キロ、スプリント回数もチーム2位の23回と、攻守に走り続けて大きく貢献した。