J2札幌は長崎に0-0で引き分けた。DF増川が負傷欠場、主将のMF宮沢が出場停止の中、チーム最年長で5戦ぶり先発のDF河合竜二(38)、12戦ぶり先発のMF前寛之(21)ら、代わりに入った選手が奮闘、敵地で勝ち点1を拾った。32戦で21勝7分け4敗の勝ち点70。首位はキープし、残り10試合で自動昇格対象の3位C大阪との勝ち点差10、PO対象の7位横浜FCとの勝ち点差は23となった。

 ケガ人や出場停止が重なっても乗り越えてきた、今季の札幌を象徴するような、しぶとい戦いだった。出場停止の宮沢に代わってキャプテンマークを巻き、チームをけん引したMF河合は試合終了後、ボランチ前寛とがっちりと握手をかわし、健闘をたたえあった。

 「移動や、雨といろいろな問題が重なった中での勝ち点1。こういう試合での勝ち点1が、この先、昇格へのカギになる。下を向く必要はない」。横浜でJ1制覇、11年には札幌でJ1昇格を経験したベテランは、敵地での勝ち点1に手応えを示した。

 湿度100%のまとわりつく空気、ぬれたピッチとの格闘だった。前半は長崎のシュート9本に対し札幌が2本。流れをつかめない中、前半45分をしのぐと、後半は修羅場を知る最年長の経験則が効いた。「長崎はカウンターが速い。足の速い選手に絞って、その選手のスペースをつぶすことを徹底できた。竜二さんが背後から指示してくれたのが大きかった」と前寛。勝ち点3は奪えなかったが、修正し無失点に抑えたことは次につながる。

 敵地で3試合勝ちなしも、悲観することはない。勝ち点を70に伸ばし、3位C大阪との差は詰まったが、プレーオフ(PO)争いが絡む7位横浜FCとは勝ち点23。早ければ10月2日北九州戦で、まずPO出場権が確定する。「試合はまだ続くし、この引き分けは前向きにとらえたい」と四方田監督。半歩ずつでも前進していけば、必ずJ1昇格は見えてくる。【永野高輔】