J1年間王者を決めるチャンピオンシップ(CS)の準決勝が今日23日、神奈川・等々力陸上競技場で行われる。引き分け以上で突破のホームアドバンテージを持つ川崎Fは、今季限りで退団する風間八宏監督(55)とFW大久保嘉人(34)のために一丸となり、悲願の初タイトルへ突き進む。

 必ずホームに戻ってくる。CS準決勝を翌日に控えた川崎Fは22日、川崎市内で最終調整を行った。今季公式戦は天皇杯は残るが、負ければ等々力の試合は今季ラスト。今季限りで退団する風間監督、そして移籍を表明しているエースFW大久保のためにも、一致団結して鹿島を撃破し、ホームアンドアウェー方式の決勝に進む。

 思いは1つ-。和やかムードに終始した前日練習の最後で異例の円陣を組んだ。トレーニングを締める手拍子の後、中心選手の呼び掛けで初めて選手だけで輪を作った。大久保はチームメートの目を見ながら「ここまで来られたのはこのメンバーだからこそ。本当に悔いのないように一丸となって戦いたい」と、同じ方向を向いているかを確認した。

 今季も第1ステージ2位、年間でも2位と優勝を逃したが、王者になる権利は残されている。今日23日の準決勝では引き分けでも決勝に進む。それでも風間監督は「ここからは勝ち負けしかないですから。積極的にやりにいく」とリーグ同様攻撃的姿勢を貫く。大久保も「こっちから仕掛けるつもりだし、もちろん最初から飛ばしていく」と鋭い目つきで話した。悲願の初タイトルを持ち帰るまで戦い続ける。【成田光季】

 ◆川崎F対鹿島の今季対戦VTR 川崎Fホームの第1ステージ対戦は1-1の引き分け。鹿島MFカイオが前半27分にクリアボールに反応し先制点を流し込むも、同36分に川崎FがMFエウシーニョのゴールで追いついた。第2ステージは鹿島ホームで対戦も川崎Fが1-0で勝利。後半20分、ゴール前でこぼれ球を拾ったFW森本が決勝点を奪った。