4月1日の仙台戦を最後に白星から遠ざかった。甲府、札幌、清水に引き分け、0-2と完敗した前節C大阪では、PKを外して先制の好機を逃していた。エースと主将の2つの重責を背負う男に中村がこう声をかけた。「PK外しても下を向くな。お前が下を向いたらみんなが下を向く。顔を上げろ。それがチームの先頭に立つ者の宿命」。

 小林は敗戦直後の練習で、選手間ミーティングを呼び掛けた。「球際にいかない選手が浮くぐらいにならないと」「要求の声は年齢関係なく言っていく」など各選手が思いを吐露。球際への強さや戦う姿勢を練習からしっかり出していくことを確認し合った。自身も終盤、相手のミドルシュートを前線から戻ってブロックするなど体を張り、先頭に立って戦う姿勢を見せた。C大阪戦を「いろんなことを背負って戦っていると実感したし、悔しさを晴らしたいと思っていた」と振り返り「戦う姿勢をみんなが出せたのは良かった」とほっとした表情を浮かべた。

 主将として、エースとしての責任をしっかり果たし「自分もまた、いろんな経験をして強くなれると思う」と気を引き締めた。この試合でMF大島、DFエドゥアルド、DF武岡が復帰。9日には勝てば1次リーグ突破が決まるACLのホーム・イースタン戦が控える。たくましくなった主将が、チームを上昇気流に導く。【岩田千代巳】