今季2度目の「静岡ダービー」も、ジュビロ磐田に軍配が上がった。前半29分にMFアダイウトン(26)が決めた先制点を皮切りに、攻撃陣が爆発した。大量4点を奪い、3-1で勝利したリーグ戦に続いて、4-2で清水エスパルスを撃破。決勝トーナメント進出に向けて敵地で勝ち点3を積み上げた。清水は終盤に主力を投入したが、反撃ならず。4戦全敗で1次リーグ敗退が決まった。

 7日のリーグ甲府戦から中2日で迎えた今季2度目の「静岡ダービー」。名波浩監督(44)は、先発11人全員を入れ替えて試合に臨んだ。出場機会に飢えたフレッシュなメンバーでルヴァン杯3連勝を狙うと、0-0で迎えた前半29分。2トップの一角として先発したMFアダイウトンが、指揮官の期待に応えた。

 DF中村太亮(27)の左クロスが1度は逆サイドに流れたが、これを拾ったDF藤田義明(34)が中央に折り返し。このシュート性のボールを体ごと押し込み、先制点をもたらした。

 これで勢いに乗ると、同34分にも再びアダイウトンがネットを揺らした。相手GKがバックパスの処理にもたついているところを見逃さず、ボールを奪取。そのままゴールに流し込んだ。02年9月以降、公式戦10試合未勝利だった日本平で、ブラジル人助っ人を中心に歓喜の輪が広がった。

 同41分、後半8分に失点を許し、一時は同点とされた。しかし、同17分にDF藤田義明(34)がすぐさま“みそぎの一撃”を突き刺した。右CKのこぼれ球に右足を振り抜き、貴重な勝ち越し点。同39分には途中出場のMF上原力也(20)にプロ初得点も飛び出し、宿敵・清水に快勝した。

 チームは2連敗からの3連勝で、順位は3位に浮上。公式戦不敗も7試合(5勝2分け)に伸ばした。1次リーグ1位通過の可能性を残すと同時に中3日で迎えるリーグ川崎F戦に向けて、勢いをつける白星をつかんだ。【前田和哉】