ジュビロ磐田の敗戦を告げる笛が鳴った。昨年まで通算5勝1敗だった磐田市内の小学校5、6年生(約3200人)一斉観戦の声援も届かず、3戦連続の無得点で今季初の連敗。名波浩監督(44)は「何度かチャンスがあった中で得点が奪えなかった。それが2試合続いている。非常に残念」と悔やみ、選手も肩を落としてスタンドに頭を下げた。

 狙い通り、3-5-2の攻撃的布陣で好機をつくったが、ゴールが遠かった。前半4分、トップ下のMF中村俊輔(38)がスルーパスを繰り出し、MFアダイウトン(26)が抜け出すも、GKとの1対1を決めきれなかった。同7分には中村俊が直接狙ったFKも、柏GK中村航輔の好セーブに阻まれた。

 一方で前半終了間際、柏レイソルに先制点を許した。序盤の好機を生かせず失点…。前節川崎F戦と同じ展開に陥り、後半29分にはカウンターから2点目を失った。その後、逆襲したが、ゴールネットは揺らせぬまま。試合を通すと、計6本の決定機を生かせなかった。

 通算成績は4勝3分け5敗と黒星が先行。今後も広島、G大阪、浦和と難敵との対戦が続くが、中村俊は「前からいくジュビロのスタイルをやめないこと。貫いた方が勝ち点を多く取れつつ、来年、再来年につながる」と顔を上げた。【前田和哉】