柏レイソルが4-2で大宮アルディージャを破って3季ぶりとなる7連勝を飾り、試合のないガンバ大阪を抜き暫定首位に立った。前半2分に先制されたが、同40分にFW伊東のゴールで同点。後半はFW武富の2ゴールなど3得点を奪って逆転した。GK中村航輔(22)が日本代表に初選出された効果で、チームに活気が生まれ、勢いが増している。チームは暫定ながら開幕節を除くと、優勝した11年以来の首位となった。

 試合開始から1度もボールを保持できないまま先制点を許しても、中村はどこまでも前向きだった。「失点するなら、早ければ早いほどいいと思っていた。流れはうちにある」。1点ビハインドの展開が、むしろ連勝中の重圧を取り除いた。試合後に振り返った中村の言葉通りに攻撃陣が奮起。その後、連続4得点を奪って逆転した。

 同点の前半ロスタイムには、189センチの大宮FWペチュニクとの空中戦に競り勝ち、大声でチームを鼓舞した。連勝が始まった第7節以降、前節までの6試合は枠内シュートに対するセーブ率がJ1トップの92・9%。2位の東京GK林の87・5%を大きく上回っている(データスタジアム調べ)。中村の叫びは最前線の攻撃陣にも響き、3季ぶりの7連勝へと導いた。

 25日に発表されたW杯アジア最終予選イラク戦(6月13日)で初めて日本代表に名を連ねた。中村は「チームが上位にいき、その流れで個人的にも評価してもらえた」と、チームメートに感謝した。だが主将のMF大谷は、むしろ中村が代表入りした効果を口にした。「(24日に)ルヴァン杯敗退が決まった中で(中村)航輔が明るいニュースを持ってきてくれた」。暗くなりかけたチームを、再加速させる要因となった。【高田文太】

 ◆中村航輔(なかむら・こうすけ)1995年(平7)2月27日、東京・北区生まれ。柏U-12、柏U-15、柏ユースを経て13年にトップチーム昇格。13年から2年間は出場機会なし。16年に期限付き移籍していた福岡から柏に戻りレギュラーに定着。昨年のリオ五輪は2試合先発。J1通算41試合出場。184センチ、72キロ。