J1残留をかけた最終決戦を、わずか2日後に控えた11日、磐田がピンチに立たされた。前日10日のJ2仙台との入れ替え戦第1戦で、DF鈴木秀人(34)が右肩、MF駒野友一(27)も腰を痛め、この日の練習を回避。室内で治療を行った。第1戦でドローながら貴重なアウェーゴールを挙げこの日、静岡に戻ってきたが、不安材料を残したまま13日の第2戦を迎えることになりそうだ。

 アウェーでの入れ替え戦第1戦をドローで終えた磐田が、故障者続出で苦境に立たされた。大事な最終決戦を前に、鈴木と駒野がこの日の練習を回避。仙台FWナジソンに体ごと押しつぶされ、右肩を地面に強打し後半2分に負傷交代していた鈴木は、室内で調整。病院に行くほどではないが「当日までどうなるか分からない」と、患部をアイシングするための冷却道具を自宅に持ち帰った。

 また試合中に突然、腰痛が発症した駒野もピッチに姿を見せず、はりとマッサージで治療した。「試合中に急にきた。でも、13日は今季最後の試合だからやるしかない」と意欲は見せたが、右からの攻撃をけん引する日本代表だけに、出場できたとしても万全な状態で臨めなければ、チームにとってマイナス要素になりかねない。

 オフト監督は9月に就任後、練習からメンバーを固定してきた。ここにきて主力が抜け、加えて中2日の過密日程。同監督は「今の状況は自分たちが招いたこと。抜け出すのも自分たちがやらないと」と、総力戦を促した。

 貴重なアウェーゴールを奪い、J1残留に半歩前進した直後の緊急事態。チームは満身創痍(そうい)の中、仙台をホームに迎え撃つ。指揮官は「残留して100%成し遂げるんだというのが今、必要な唯一の姿勢」とキッパリ。残留するためには、この試練を乗り越えるしかない。【栗田成芳】