コンサドーレ札幌の石崎信弘監督(50)が北海道の洗礼を受けた。オフ明けの10日、今季初めて札幌・宮の沢で調整。午前練習はメニュー通りに進んだが、午後練習は雪の影響で予定していた実戦練習などができず、わずか30分で終了した。「下がズルズルでケガもする」「人工太陽でもつけてください」とぼやきを連発した。11日、札幌で練習後に熊本へ移動し、次節のアウェー鳥栖戦(15日)に備える。

 石崎監督の予想を超えていた。午後練習が始まった午後3時30分過ぎ、雪が本降りになった。ウオーミングアップを終え、照明が点灯。サイド攻撃の練習中には、選手は目をまともに開けられない状態になった。ピッチは1面銀世界に逆戻り。その間、わずか15分の出来事だった。石崎監督は「試合でこういう状況あるからな」と指示したが、「ないか」とすぐに撤回。午後練習は、たった30分で終了した。

 石崎監督

 ビックリした。(午前は)あんなに天気が良かったのに。下がズルズルでケガもするし、グラウンドも痛む。

 札幌・宮の沢で待望の今季初練習だったが、自然には勝てない。午前練習は筋トレ、ランニングと予定通りのメニューを消化しただけに「あっという間に天気は変わるね」と驚くしかなかった。午後は開幕仙台戦の課題を修正する予定だったが、雪の影響でほとんど練習にならなかった。石崎監督の発言は揺れる秋春制移行についても及んだ。95年から4年間、雪国の山形で監督の経験もあったが、この日北海道の雪を身をもって体験し、現実的ではないことを痛感した。

 石崎監督

 考えられないなあ。ここに屋根をつけないと。日も当たらないし、人工太陽でもつけてください。

 11日に札幌で調整後、キャンプ地の熊本に移動するが、2日連続で雪の影響が懸念される。「(飛行機の時間変更など)予定は変えられない。しょうがないじゃろう」と練習ができないことも覚悟した。熊本で14日まで「ミニキャンプ」を行い、15日のアウェー鳥栖戦に備える。MFダニルソンは「(札幌での)練習は不可能。熊本のいい環境でいい準備をしたい」と言う。チームは初勝利へ、熊本で立て直しを図る。【長島一浩】