41歳のゴンがナビスコ杯史上最年長出場だ!

 J1磐田のFW中山雅史が25日の横浜戦(ヤマハ)で、今季公式戦で初めてベンチ入りする。出場すれば「41歳6カ月と2日」で98年V川崎(現東京V)ラモス瑠偉(52=東京V常務)の「41歳3カ月21日」を更新する同杯新記録。24日の練習でも、控え組ながら生き生きとプレー。チームは21日のリーグ戦(対浦和)で引き分けて3連敗は逃れたが、今季公式戦3戦未勝利。待望の初勝利に貢献し、記録達成に花を添える。

 FW中山が、磐田先発陣の目前に立ちふさがった。仮想横浜のサブ組の中山は、横浜のルーキーFW渡辺になりきって、ひたむきに「磐田ゴール」を目指した。練習後は「チームをどう改善していくのか、練習から高めていかないと…」と険しい表情で話した。闘志あふれるベテランの姿に、柳下監督は「ゴンはベンチに入る。動きは悪くないからね」と、今季初のメンバー入りを明言した。

 横浜戦でピッチに立った瞬間に、新たな大記録を樹立する。日本リーグ時代からJリーグ創生期、そして93年の「ドーハの悲劇」を共に経験した戦友のラモス氏の11年前の記録を塗り替える。「ピッチに立てればいいけど…。技術的にもコンディション的にも問題があったが、やるときは無理してでもやる」。出番が来れば、体を張ってでもチームの力になるつもりだ。

 自身がベンチに入れなかった今季開幕3週間、チームは3戦連続白星がなかった。過去、開幕から公式戦初勝利までに要した日数は、06年の17日間が最長。今季は7日の開幕から25日で19日目になる。それでも、チーム状態は上向き傾向。失点数も6↓4↓1と減少している。スタンドから見守った中山は「全体を通してよくなっている。僕らにとっては毎試合が大事。ここでしっかり戦いたい」と初白星を待ち望む。

 前節は人気カードの浦和戦にもかかわらず、1万8439人の観客動員数で、エコパ開催では過去最少だった。いまだにグッズ販売でチーム一の人気を誇り、サポーターからも絶大な支持を受ける中山は「サポーターあっての自分たち」と現状に危機感を抱いている。スタンドからの熱い「ゴンコール」を力に変えて、初勝利と記録更新、そしてもちろん「ゴンゴール」を狙う。【栗田成芳】