<J2:栃木2-1横浜FC>◇第14節◇10日◇ニッパ球

 横浜FCの42歳FWカズ(三浦知良)が、珍しいオウンゴールを決めた。栃木SCに1点をリードされて迎えた前半33分、混戦から味方GKのクリアボールが体に当たってゴール。本人も記憶にないというゴールで、チームも1-2と敗れた。これで昨年7月からのホーム戦勝ちなしは17試合連続でJ2新記録。「最下位独走」の低迷に、緊急補強が現実味を帯びてきた。

 CKのこぼれ球だった。GK大久保のクリアボールが、カズの体に当たってゴールに転がった。プロ23年目の42歳が「プロではないと思う」というオウンゴール。DFのクリアを拾われた1点目に続く不運な失点で2点差になると、横浜FCに返す力はなかった。

 左太もも裏の張りで2試合欠場していたカズだが、この日は先発出場。開始2分にFW難波の突破からのラストパスを決めきれず、前半31分には絶妙のタイミングでDFの裏に飛び出したがシュートはできなかった。内容が結果につながらない現状を象徴するようなオウンゴール。「運がなかった。下を向かず、やり直すしかない」と話した。

 5連敗で、ホーム勝ちなしも17試合連続のJ2新記録。小野寺社長は「(樋口)監督を代えることは考えていないが、選手については強化部とも話し合う」と緊急補強も示唆した。2年前J1にいたクラブとは思えない低迷ぶり。「勝つことを信じて、全力でやるしかない」。カズの言葉に悲壮感がにじみ出ていた。【荻島弘一】