札幌が「あ行」カルテットで甲府を討つ。コンサドーレ札幌は30日、札幌厚別公園競技場で甲府と対戦する。同競技場での甲府戦は、50音の「あ行」の選手が活躍すると勝利につながるという、隠れた“伝説”がある。今回もGK荒谷弘樹(33)ら「あ行トリオ」3選手の先発出場が濃厚。石崎信弘監督(51)を含めた「あいうえお」4人衆で、第2クール初戦必勝を目指す。

 「あ」荒谷がゴールを守り、「い」石崎采配で左サイドバックに入る「うえ」上里が起点になり、チーム日本人選手トップ4得点の「お」岡本のゴールで甲府を撃破する。厚別での甲府戦に秘められた勝利の「あ行」方程式。札幌が誇る「あいうえお」軍団の神通力で第2クール初戦快勝を狙う。

 J参入後、札幌の聖地での甲府戦成績は4勝1分け2敗。勝利した4戦はFW相川、MFアシス、DF大野、DF池内ら、ポジション問わず「あ」行の5選手が8得点と活躍した。今季、大宮から加入したGK荒谷は、さすがにこの“伝説”については「知りませんでした」と言う。それでも「前回(24日1-1東京V)惜しいところで勝利を逃したので、今度こそ厚別のサポーターに完封勝利を贈りたい」と、チームただ1人の“あ組”として自覚を見せた。

 攻撃のカギを握る「うえお」コンビも闘志を燃やす。前節から2戦連続で左サイドバックに入ることが濃厚な上里は「起点になれるようなプレーを心がけたい」と言う。前節はDF趙の出場停止を受けて、暫定的なボランチからのコンバートだったが、攻守ともに無難にこなしたことで石崎監督も適材と判断。連続起用に踏み切った。厚別連発を狙うMF岡本と左サイドの連係で甲府ゴールをこじ開ければ、チームとしても攻撃の幅がふくらむことになる。

 「第1クールは、いろいろ試していた時期もあった。第2クールは、これまでのことをいかに継続できるか」と石崎監督。“い”しさん奏でる「厚別あいうえお作戦」で現在4位の甲府を破り、上位進出へ弾みをつける。【永野高輔】