<J1:川崎F1-0G大阪>◇第10節◇1日◇等々力

 後半8分にMF二川が得たPK。MF遠藤保仁(29)の動きはいつもと違った。普段はゆっくりとボールをセットしてGKとの心理戦を仕掛けるが、この日は間合いを置かずにすぐに蹴った。しかも得意の「コロコロPK」ではなく、ゴール左を狙ったライナー性の強いシュート。GK川島に阻止されると、両手を腰に置いて、ため息をついた。

 「エイジ(川島)はね、代表でいつもやっているから。そういうことを考えて、強く蹴ろうかなと…。あれだけ強く蹴ったのは、なかなかないです。GKの取りやすいコースに行ってしまったのは…」。冷静沈着な男が心理戦に負けた。プロ入り後、PKを外したのは4度目。リーグ戦では2回目だった。

 尾を引いたのか、後半14分にゴール前フリーでボールを受けながらシュートまで持ち込めない。同11、24分と2度のFKも得点に結びつかなかった。

 因縁の相手にまたしても敗れ、首位鹿島との勝ち点差は12から15に広がった。「このままでは終われない」。遠藤は必死に前を向いた。