<J2:仙台2-0東京V>◇第37節◇2日◇西が丘サッカー場

 数的不利に耐えたベガルタ仙台が、東京Vを2-0で破り2位をキープした。前半ロスタイムにFWサーレス(23)が、2回目の警告を受けて退場。後半は10人での戦いを強いられたが、オウンゴールで先制。途中出場のFW中原貴之(24)が、自ら得たPKを決めて突き放した。中原はクラブ史上初となる、途中出場での3戦連発を達成した。

 ペナルティーエリア内で、中原が梁を制した。後半27分、自ら得たPKだ。

 中原「蹴ります。ここはオレに蹴らせてください」。

 梁「いいよ。お前がもらったPKなんだから」。

 今まで1度もPKを外したことのない梁からキッカーを“強奪”。プロ初のPKにも、中原は「外す気がしなかったんで、緊張しなかった」と自信に満ちあふれていた。冷静に右足でゴール左隅に流し込んだ。

 中原への信頼が凝縮されたシーンだった。前半ロスタイムにFWサーレスが退場し、数的不利の状況でリードは1点。梁のキックに任せるのがセオリーだが、前節まで8戦5発の中原の頼みは断れない。決めればシーズン自己最多14点目のはずだった梁だが「今までFWが『蹴らせろ』と言ってきたことがなかった。うれしかった」と喜んで譲った。

 手倉森監督も信頼を寄せる。中原がPKを志願したことに「中原に助けてもらった試合が続いたし、今は中原に懸けてみようって雰囲気がある。昇格に向けて彼のようなラッキーボーイが必要」と目尻を下げた。

 途中出場での3戦連発はベガルタ史上初めて。昨年5月6日の広島戦、同11日の甲府戦で自身が記録した2戦連発を更新した中原は「とにかく得点が欲しかった。信頼?

 その言葉を待っていた。昇格チームにはラッキーボーイがいる。僕がなるつもり」と言い切った。もはや勝利の方程式。中原の活躍があれば、首位奪取の日は遠くない。【木下淳】