コンサドーレ札幌のユニホームスポンサーの1社、石屋製菓の石水勲顧問(65)が10日、今季のスポンサー料5000万円から、来季は倍額の1億円に増額する方針があることを明かした。今季2億円を支援していた「ニトリ」の撤退で胸スポンサーが消滅する危機にあったが、同社の申し入れにより最悪の事態は免れることになった。

 ニトリ撤退で停滞していた札幌に、初めて光明が差した。石屋製菓の石水顧問が10日、クラブ事務所を訪れ、矢萩竹美社長(59)からニトリ撤退に関連した一連の事情説明を受けた。同顧問は会談後、「(今季の)背中の額から、胸スポンサーの相場となる額に変える(クラブ側に)準備がある」と明言。来季の同社のスポンサー料を、前回胸スポンサーを務めた07年と同額の約1億円に増やす方針を明かした。

 2季にわたり務めてきたニトリの撤退が7日までに決まり、来季の胸スポンサーは白紙の状況だったが、石屋製菓の申し入れにより危機は回避される見込みだ。今季より5000万円の増額が確約されたことで、大幅減額で苦戦予想された戦力構想にも望みが出てきた。「正式に決まれば確実に1歩前進」と矢萩社長は口にした。96年のクラブ創成期から支えてきた最大の“功労社”が、最初に救済の手を差し伸べた。