<J1:川崎F1-0新潟>◇第33節◇28日◇等々力

 2位川崎FはFW鄭大世(25)のゴールで新潟を下し、勝ち点61で最終節で逆転優勝の可能性を残した。

 最下位の大分に敗れた前節の悪夢をぬぐい去る貴重な一発だった。自分の課題を「勝負どころで弱い面」と言うFW鄭が後半25分、FWジュニーニョの左サイドからの折り返しに左足を合わせ、初タイトルに夢をつなぐゴールを決めた。ジュニーニョがボールを持った瞬間、リーグ最少失点を誇る新潟のDF陣を振り切ってゴール前ニアサイドに詰めた。「毎試合狙っている形。久しぶりにうまくいった」。勝ち点3が大前提という大一番で、勝負強さを発揮した。

 チームは過去、リーグ戦で2度の2位に泣いた。ナビスコ杯も準優勝3回。入団4年目の鄭も「勝負どころでうまくいかないところがある」と、チームが抱えるもろさを自覚していた。前節の大分戦ではシュート0本。「無理やりにでも打とう」と、積極的にミドルシュートも放った。

 関塚監督は「自分たちらしいサッカーを取り戻したかった」と、前節から先発3人を入れ替え、MF森、MF田坂、DF寺田を起用する勝負に出た。指揮官の姿勢が選手たちにも伝わったのか、ゲームキャプテンのMF中村も「思い切って自分たちのサッカーができた。攻撃的にいけた」と手応えを感じた。

 大分戦後、チームはバラバラになりかけた。選手たちからは「うまくいってない」という声も上がった。27日の練習ではグラウンド上で選手同士が大声を上げて考えをぶつけ合い、土壇場の一戦を開き直って迎えた。鄭は「今日は相手はもちろん、乗り越えなければならないものがたくさんあった」。大分戦は劣勢に苦しみ、連動性に乏しい試合展開だったものの、中村は「(得点は)信頼関係が生んだものだった。苦しい展開になってもあわてなかった」と成長を実感していた。

 最終節に初タイトル獲得の夢をつないだ。敵地に乗り込んで柏と戦う。中村は「最後は勝って終わる」と言い切った。もう悔し涙は流さない。【松田秀彦】