新戦力FW内村圭宏(25)が、故郷大分で開幕スタメン入りを決める。コンサドーレ札幌は28日、大分・九石ドームでJ2大分とプレシーズンマッチを行う。FWながら移籍後初のサイドハーフでの先発が濃厚な内村は、故郷で臨む古巣戦に闘志。3月7日の開幕鳥栖戦(ベアスタ)前最後となる実戦だけに、自らのゴールで今季初白星と、石崎監督の信頼を勝ち取りにいく。

 内村が貪欲(どんよく)にゴールへ突き進む。開幕スタメン争いがかかる大事な一戦に向け「とにかく点にこだわりたい。そこ(得点)は別物。結果として分かりやすいから」と意気込んだ。今季、チームはJクラブ相手に流れからは無得点。待望の1発をたたき込みチームでの存在感を確実なものにする構えだ。

 21日の神戸戦では近藤と2トップを組み、俊足を生かしたDF裏への抜けだしでチャンスをつくった。石崎監督から「面白い選手。(攻撃に)自分の形を持っている」と及第点も与えられた。今回はFWより守備の運動量が求められるサイドハーフでの出場だけに、活躍が認められれば、攻守ともに盤石の地位を得られることにもなる。

 思い入れのある地だけに燃えないはずがない。九石ドームでの試合は06年の大分在籍時以来。出身地は兵庫だが「生まれてすぐ0歳から大分に住んでいましたから」という22年間過ごした“故郷”でもある。両親も訪れる舞台で勇姿を見せ、定位置獲得につなげる。

 心もプレーも生まれ変わった姿を地元ファンに披露する覚悟だ。「大分のときの自分と違うというところを見せたい」。07年に愛媛に“放出”同然でレンタル移籍するまでは「大学生気分だった」という。初めて大分を離れ「このままだと選手生命が終わる」と、真剣に練習に取り組んだ結果が昨季の18得点につながった。大分時代のゲームメーカーから点取り屋に転身し、よみがえった「ネオ内村」爆発の時が来た。

 「守備もしっかりやって自分の特長も出せれば開幕につながる」。J2本番までは残り1週間。速さとうまさを併せ持つ新背番13が、友人たちの熱い声援を受け、開幕切符をつかみ取る。【永野高輔】