左足首ねんざで開幕鳥栖戦(7日、ベアスタ)出場が絶望視されていたコンサドーレ札幌MF古田寛幸(18)が熊本キャンプ中の3日、負傷後初めてグラウンドでの練習を再開した。2月25日の負傷時は全治7~10日と診断され治療と安静が続いていたが、回復が早く予定を前倒し。4日にチェックして問題なければ、5日にも合流することになった。石崎監督期待の18歳が、開幕戦で戦列復帰する望みが出てきた。

 古田は開幕戦をあきらめてはいなかった。この日の午後練習で佐川トレーナーと石栗フィジカルコーチの下、コンディションチェックをスタート。ダッシュなどのメニューの合間に、自主的に足首を動かしながら軽いドリブルを取り入れるなど、順調な回復ぶりをアピールした。

 「ボールの感触や、足首をどのくらい動かせるかを確認したかった。思ったより動けた」。左足首をねんざした2月25日以降は宿舎での治療と安静が続いてただけに、久しぶりの屋外練習に18歳の胸は弾んだ。絶望視されていた開幕戦に向けても「(開幕戦は)一番の目標。どんな形でもいいから勝利に貢献したい」と早期復活を視野に入れた。

 本格合流は4日のチェックを見てからの判断となるが、負傷時に「(開幕戦は)厳しいかも」と話していた佐川トレーナーもこの日は「予想以上に回復が早い。状況まあまあです」と説明。石崎監督にとってもうれしい誤算だ。「無理はしてもらいたくないけど、古田の役割は大きい。プレーができるなら(起用も)考える」と本格復帰した場合、開幕メンバーに入れる可能性も示した。

 執念の治療が実った。負傷後はアイシング20分、患部の圧迫40分のサイクルを毎日10時間ずつ計5日間休まず続けた。外出できず筋トレと休養の日々が続いたが、熊本入り後に購入した、敬愛するメッシの自伝「メッシ~169センチの、本気!」を開いては、復帰へのモチベーションを保ち続けてきた。

 「ケガしたときはショックだったけど、もう切り替えられた。残りの限られた時間の中で、できることを精いっぱいやるだけです」。札幌が誇る高速ドリブラーが、残り4日間で、少しずつJ2本番へと照準を定めていく。【永野高輔】