京都が27日、電撃的な監督交代に踏み切った。加藤久監督(54)の事実上の解任を決定。秋田豊コーチ(39)を新監督に起用すると発表した。秋田コーチは28日浦和戦(西京極)から監督代行として指揮を執り、Jリーグ登録手続きが完了する30日に正式に監督交代となる。秋田新監督はW杯に出場した日本代表としては初のJ1クラブでの監督となる。また、加藤監督は15年まで強化責任者となるチーム統括の契約を結んでいたが、退団する意向を示した。

 思わぬ形で「岡田チルドレン」がJ1の監督に就任した。最下位に沈む京都は試合前日のこの日、チーム統括を兼ねる加藤監督を事実上解任。98、02年W杯に日本代表の守備の要として出場した秋田コーチの監督昇格を発表した。同コーチは28日の浦和戦(西京極)では監督代行として指揮を執り、8月1日の広島戦(広島ビ)から正式に監督としてベンチ入りする。

 京都は秋田新監督の熱血指導に期待している。将来の監督候補としてS級ライセンス取得を全面的に支援していた。選手からの信頼も厚く、オフには秋田新監督が考案したメニューもこなす選手も多い。既に、この日の非公開練習から指揮を執った。「こういう状態で(監督を)引き受けることに対して、責任の重いことではありますが、以前からの夢である監督としてのスタートを切るには非常にやりがいのある仕事だと思った。全員で今の状況を打破していきたい」と広報を通してコメントした。

 W杯出場選手としては、98年に岡田監督のもとで初出場を果たした時のメンバー、相馬直樹氏が今季からJFL町田ゼルビアの監督に就任した。また、柏の井原ヘッドコーチは昨シーズン途中、高橋前監督の解任からネルシーニョ監督が就任するまでの間、監督代行として指揮を執った。ただし、W杯戦士のJ1フルタイム監督となると、秋田新監督が初だ。2度のW杯出場経験などをもとに、どんなサッカーを展開するのか。まずは、10戦未勝利で最下位に低迷する京都を戦う集団に変えるしかない。