<J1:川崎F4-0神戸>◇第25節◇2日◇ホームズ

 体調不良を押して強行出場した川崎Fの日本代表MF中村憲剛(29)が、ファーストプレーでチームを勢いづけた。前半2分、FWジュニーニョへ絶妙なスルーパスを通し、先制点をアシストした。「ゲームを早く決めたかった。その意味でもすぐ1点をとれたことは大きかった」(中村)。最悪のコンディションでピッチに立った大黒柱の、このワンプレーが4点大勝の発火点になった。

 9月末に風邪をこじらせ38度を超える熱を出した。同25日の前節G大阪戦は途中出場。同29日のナビスコ杯磐田戦には先発出場したが、体調は戻らなかった。4日からの日本代表合宿参加を見合わせることも検討されたほど。中2日で迎えたこの日も「だるさ、体の重さが抜けきらない」と鼻声で話していた。そんな中での強行出場だった。後半31分にベンチに下がったが、「苦しい中での会心の勝利」と満足そうだった。

 家族の支えが大きかった。「トマトが赤くなれば、医者が青くなる」のことわざがあるほどビタミン豊富なトマトは、中村が唯一嫌いな野菜。そこで加奈子夫人は「みかん100%特製ジュース」をつくって、ビタミン補給させてくれた。少しでも長く睡眠が取れるように、子供たちとの入浴も控えさせてくれた。そのかいあって体調も回復の兆しが見え始めた。

 4日からはザックジャパンの初合宿がスタートする。「状態に関してはきちんとスタッフに説明するけど、試合に出ている以上言い訳したくない。できる限りやりたい」と力強く意欲を語った。家族のアシストを受け、結果を出し続けたエースが、日本代表でも「気力」で得点をアシストする。【鎌田直秀】