<J1:新潟2-1鹿島>◇10月31日◇第28節◇東北電ス

 前人未到のJ1での4連覇を目指す2位鹿島が、がけっぷちに立たされた。アウェーの新潟戦では、押し気味に試合を進めながら、後半ロスタイムの失点で1-2と敗れた。8試合ぶりの敗戦で、首位名古屋との勝ち点差は11に広がった。残りリーグ戦は6試合。逆転優勝どころか、次節7日の直接対決に敗れるようなことがあれば、最短で14日にも優勝決定を許す苦境に立った。

 ピッチ上では必死にショックに耐え続けた選手たちが、試合後、ウオームアップルームに戻ると、次々と腰から地面に崩れ落ちた。ユニホームをたくし上げて顔を覆い、号泣する選手までいた。無理もない。この日の敗北で、勝ち点差は11になった。05年に年1シーズン制になって以来、首位と2位の差としては史上最大。事態の深刻さに、ぼうぜんとして無言でバスに乗り込む選手が続いた。

 負けられない一戦。オリベイラ監督(59)は勝負の一手を打っていた。あまり布陣に手を加えない指揮官には珍しく、08年末以来常時先発のMF野沢を、スタメンから外した。そして「横浜戦でのいいプレーをまたみせてくれると期待した」と左足首痛を抱えるMF本山をあえて起用。FW興梠をMFで先発させ、いつもの4-4-2から1トップにシステムも切り替えた。

 選手も必死だった。1点を追う後半15分には、右サイドDF新井場が左足同点弾をねじ込み、こん身のガッツポーズ。その後も前線から懸命にボールを追い続け、後半終了間際には、野沢のシュートのこぼれ球にFW大迫がゴール至近距離で反応する、この試合最大の好機につなげた。だがシュートは体を投げ出した新潟GK東口にセーブされた。大迫は試合後「すいません」と話すのが精いっぱい。オリベイラ監督は「リーグは12月4日まである。我々はそこまで全力を尽くすだけだ」と必死に前を向いた。

 8月末にはクラブハウス内のダクトから、スズメ2羽が救い出され、以来無敗が続いていた。3連覇中の亀、カブトムシ、コウモリに続く「吉兆動物」到来で優勝の機運も高まったが、くしくも2羽のスズメは新潟の戦国大名、上杉氏の家紋だった。07年には残り5試合で、浦和との勝ち点10差を3位から逆転した実績はある。次節名古屋に勝てば、残り5戦で8差。直接対決に、すべてをかけるしかない。【塩畑大輔】