J1で13位の仙台が残り5節を「専守防衛」で戦い「残留」を引き寄せる。9日、手倉森誠監督(42)が「残り5戦、全部無失点の5引き分けでOK」と語り、すべて上位との対戦に向けて徹底的に粘って守る覚悟を示した。前節6日、降格圏16位の神戸に直接対決で敗れ勝ち点差5となったが、「自分たちで厳しくした残留争いはより成長できるチャンス」と前向きに考えている。
2連休を終えて再始動した手倉森監督は、神戸戦の反省からラスト5試合へ向けた再スタートを切った。
手倉森監督
負けたのは、どこかに大丈夫だろうという慢心があったから。ただ、負けたから力がないと思うな。残り5戦は気持ちだ。何が何でも残留するという気持ちを前面に出してくれ!
下位相手の直接対決を終え、残りはすべて上位との対戦が待つ。修羅場を乗り越えなければならないが、有利に働くと見ている。徹底的に「堅守」を追求しても不自然ではないからだ。
手倉森監督
下位の直接対決より、精神的に覚悟を決めやすい。上位が相手なら、謙虚な気持ちで点を与えない戦いができる。5引き分けでもOK。手堅い守備から勝ち点を取りに行くという姿勢を出しやすい。
神戸に勝てば勝ち点差は11に広がり、ほぼ残留切符を手にしていた。結果は5差に縮められたが、前向きにとらえる。
手倉森監督
残留争いで厳しい状況を招いたのは自分たち。これは来季もJ1で戦う我々に対して、もっと成長できるぞ、というメッセージだと思っている。
さらに、各対戦相手に対する発奮材料も欠かない。
◆対磐田「ナビスコ杯王者を相手に力を試す。準々決勝で負けた借りを返し、我々にも力があると示す」。
◆対清水「4月は1-5という痛い思いをした。ただ現在は7位。当時の強さはない。本拠地で沈める」。
◆対新潟「W杯の中断明けで勝ち点を計算していた相手。それが2-3で逆転負け。悔しさを晴らす」。
◆対広島「7月は先制して追いつかれた。相性のいい相手。次は勝ち切る」。
◆対川崎F「今季は逆転負けだけど、昨季の天皇杯準々決勝で勝ったのは同じ12月だった。再現する」。
前半戦で課題を突きつけられた相手との連戦だが、成長して残留をつかむ舞台にふさわしい。【木下淳】