仙台のMF関口訓充(25)がマネジメント会社「ボランチ」と契約したことが2日、明らかになった。関口が同種の事務所に所属するのは初めて。競技、クラブ契約交渉以外の情報発信面を同社とともに強化していく。3月11日に起きた東日本大震災もマネジメント契約する大きな要因となった。全国から注目を集めるようになった関口が、今後のさらなる情報発信で東北に元気を送り込みたい考えだ。

 関口が大震災と将来を考え、マネジメント会社との契約を決断した。イタリア・セリエAのカターニアFW森本や、中国Cリーグ深■(しんせん)の元日本代表FW巻が所属する「ボランチ」という会社だ。W杯出場経験者と同じ事務所で、自身も飛躍の準備をする。

 最大の理由は震災だった。被災地チームとして全国から注目が集まった。その中でも昨年10月、日本代表に初選出された関口に多くの報道陣が集まった。リーグ戦前の練習や試合本番では当然注目される。だが、それ以外の場面ではそうではない。被災地で会った多くの人に、サッカー以外でも何か力になりたいと考えた。

 「サッカーをできる喜びをあらためて感じた。サッカーを通じてもっと情報を発信したいという思いもあり、マネジメント契約する決断をした」と関口。先月23日、川崎Fとのリーグ再開戦でも、ホーム開幕戦となった同29日の浦和戦でも胃腸炎を患いながら90分間フル出場した。ただ出ただけではない。内容も素晴らしかった。普段、ドリブルなど攻撃面が目立ちやすいが、自陣深くまで戻り献身的に守備をする姿が、見ている人の心に響いた。

 マネジメント契約し「これを機にプレー以外でも東北に元気や勇気を与えたい」と、活動の幅を広げたい考えだ。チームは2勝1分けで現在2位。今日3日、3連勝と首位を懸けてホームで福岡を迎え撃つ。関口も過去2戦以上のパフォーマンスを被災者に送る。【三須一紀】※■は土へんに川