鬼主将が引き締める。J2札幌は今日12日、室蘭市入江運動公園陸上競技場で横浜FCと対戦する。主将の河合竜二(32)が、10試合連続でセンターバックとして先発出場。“怒号隊長”の猛ゲキで士気を高め、757日ぶりホーム4連勝を呼び込む。

 直前調整の11日、札幌ドームサブグラウンドに激しいゲキがこだました。「ぬるいプレーを見ると、熱くなる。言わないと気が済まない。次の試合も厳しく怒っていく」。中盤の底で指示を出してきた芳賀の負傷離脱は痛いが、その分をDFラインからカバーする。

 「しかり屋」が効果を発揮している。前節4日の大分戦終盤、プレスが遅れたMF古田を「球際が甘い」ときつくしかった。エースへのゲキが他の選手の集中力を高め、完封勝利につながった。古田も「中途半端なプレーには、はっきり言ってくれる。終了間際に盛り上げてくれる人がいるのは大きいし、去年と比べても確実に変わっている」と効果を口にする。昨季は残り15分の失点が12と約3分の1を占めた。終盤の粘りに課題があったが、今季はゼロ。結果もついてきた。

 室蘭へは今日12日に当日移動。片道約2時間をかけバス移動をしながら車内で軽食を取る。1日で長距離移動を兼ねる試合だけに「みんなが集中できるよう声を掛けていきたい」と言った。室蘭入江は、浦和時代の00年7月16日札幌戦で北海道デビューを果たした会場。思い出のピッチで、11年かけて熟成させた熱い“カワイズム”をさく裂させる。【永野高輔】