仙台には今こそフレッシュな力が必要だ。「シュートの鬼」ルーキーFW武藤雄樹(22)が16日、次節アウェー名古屋戦での出場&得点を狙うと宣言。14日の練習試合では40分ハーフにもかかわらず1試合5得点と爆発。U-22日本代表のエースで名古屋FW永井謙佑(22)ら同世代に負けられないと奮起する。9戦勝ちなしのチームに新風を吹き込む。

 シュート無くして、ゴールはない-。それが武藤のスタイルだ。流通経大4年時、関東リーグで「シュート80本ぐらい打って、15得点ぐらいだった。周りに『それだけ打って、なんで入らないんだ』って文句言われたこともあります」と笑う。1人で1試合10本放ったこともある。

 この積極性が前節、シュートがわずか6本だった仙台に必要だ。14日、国際武道大との練習試合。武藤は常に前を向いてシュートまで持って行く。左でも右でも蹴れることも魅力。毎日、練習後の自主練習でシュート練習をこなす。その努力でプロ入り後、ゴールの確率も増えてきた。

 チームの現状について聞いても遠慮はない。「間違いなく攻撃がうまくいってない。クロスが入っても赤嶺さんしかいない。赤嶺さんがくさびに入ってもサポートが少ない。自分が入ったらそこに絡んでいきたい」。

 先月31日の柏戦で14戦ぶりにベンチ入りし「戦力として思われてるんだと感じた」。尊敬するFW柳沢からも「練習中から準備しておけ。お前みたいな選手は必要とされる」と励まされ集中力を保ってきた。永井、磐田MF山田らリーグで結果を出す大学時代の同期の活躍にも「僕の世代はみんな出てる。悔しいな~」。名古屋DF闘莉王には小柄でキレのあるタイプが効く。武藤の必殺「マシンガンシュート」がさく裂する。【三須一紀】

 ◆武藤雄樹(むとう・ゆうき)1988年(昭63)11月7日、神奈川・座間市生まれ。小1時、FCシリウスでサッカーを始める。武相高3年時に全国高校総体出場。流通経大では1年時総理大臣杯優勝。2、3年時に関東リーグ優勝。家族は両親、妹。趣味はボウリングで最高スコアが215。好きな芸能人は宮崎あおい。右利き。170センチ、68キロ。血液型AB。