<J1:神戸1-1清水>◇第29節◇15日◇ホームズ

 清水DFボスナー(31)が亡き祖父へささげるゴールを決めた。後半10分、MF小野伸二(32)の右CKを頭で合わせ、6月18日浦和戦以来となる自身リーグ18戦ぶり今季3得点目で先制に成功した。終盤、MFカルフィン・ヨンアピン(25)の退場で数的不利になったこともあり、同点とされ今季2度目の連勝は逃がした。

 天国に向かってボスナーが雄たけびを上げた。自身約4カ月ぶりのゴールを決めると両手の拳を握り締め、こん身のガッツポーズを作ると、体を反り返らせるように、上空を何度も見つめた。「プロだからいつもと変わらずにやらないといけない。プロだからいつも勝利を目指している。その中でも今日は本当に勝ちたかった」。先週7日に祖国オーストラリアで暮らす祖父アイビンさんが84歳で亡くなった。訃報を受け、その日のうちに急きょ帰国。11日に再来日すると急ピッチで調整し、神戸戦のピッチに立った。

 ただ、先制しながらも勝ち切れなかったことに関しても自らを責めた。後半40分、相手FWに突破され痛恨の同点弾を許した。「最後にミスを犯してしまったのは私。おじいさんのために勝利が欲しかった」と、肩を落とした。それでもゴトビ監督は「(先制)ゴールは重要だった。彼が決めてくれたことをうれしく思う」と、悲しみを乗り越えて決めた先制ゴールをたたえた。

 上位争いに向けては敵地であろうと勝ち点3は必須だった。ACL出場権獲得圏内も厳しい状況が続く。「最後まで諦めるな」。肩を落とすボスナーに、天国のおじいさんの声が届いたに違いない。【為田聡史】