【グアム(米国)4日=永野高輔】“牛歩戦術”で開幕メンバーに滑り込む。腰痛で3日間、別メニュー調整だった札幌の新加入FW大島秀夫(31)がランニングを再開した。1月30日にぎっくり腰となり、一時は歩行できない状態だったが良化。合宿中2度の離脱で出遅れたが、プロ15年目のベテランは焦らず、3月10日磐田戦でのスタメン切符を狙う。

 修行僧のように黙々と走った。「練習できないのは悔しいが、できる範囲で無理をしていけば。焦らずに治すことを優先したい」。合宿初日の1月25日は発熱のため完全休養した。翌26日に合流したが、今度は31日からぎっくり腰で再離脱。早くも2度のアクシデントに見舞われたが、ようやく復帰への1歩を踏み出した。

 “アニキ”の助言も効いた。腰に激痛がはしり、歩行困難になった翌31日は、ほぼ寝たきりの状態。食事会場にも行けなくなった。そんなとき、同部屋のMF河合が言った。「とにかく焦るなよ」。同日の朝食は、河合がトレーナーに必要なメニューを確認し、部屋まで送り届けた。札幌入りを勧めてくれた兄貴分の教えと支えが力になった。

 完全合流は12日からの熊本合宿を予定している。少しつまずいたが「そんなに意識はしていません。開幕まで逆算して体をつくれれば」と気落ちはない。FWは前田、キリノら新加入も多く競争は激しいが、大島はわが道を突き進む。