<プレシーズンマッチ:清水1-0磐田>◇19日◇鹿児島・鴨池陸上競技場

 今季初の静岡ダービーは、清水が磐田を下した。後半18分に左サイドを駆け上がった清水DF河井陽介(22)のクロスがオウンゴールを誘発し、先制した。その後も途中出場の清水FW白崎凌兵(18)が果敢にゴールに迫るなど、ルーキー2人が躍動した。新チーム発足以来、主将を決めずに調整してきた磐田森下仁志監督(39)は、注目マッチのキャプテンマークを2年目のMF山田大記(23)に託した。

 初の静岡ダービーを思い切り楽しんだ。期待のルーキー河井と白崎が、左サイドで輝きを放った。まずは藤枝東出身の河井が魅せる。0-0で迎えた後半18分。MFアレックス・ブロスケ(28)のパスに抜け出すと、左足で鋭いクロスを供給。相手のオウンゴールを誘い、先制点を奪った。本来の中盤ではなく不慣れな左サイドバックを任されながら、持ち味の攻撃で結果を残すと「90分間主力組で出場できたことが一番大きい。勝てたし、やっとチームの一員として戦えた」と笑った。

 4歳上の同期の活躍に、同12分からピッチに立った白崎も負けていなかった。日本代表DF駒野を相手に果敢に縦への突破を図る。何度もクロスを上げ、好機を演出。やわらかなボールタッチで緩急をつけ、相手を戸惑わせた。得点こそ奪えなかったが「チャンスも作れて、楽しかった。シュートがなかったことは課題だけど、出場時間も多くもらえるようになってきた。1日1日積み重ねていきたい」と、手応えを口にした。

 アフシン・ゴトビ監督(48)も「自信を持ってよくやっていた。チームは成熟してきているし、非常に満足している」とうなずいた。若手の成長とともにチームは4連勝。気持ち良く鹿児島キャンプを打ち上げた。【前田和哉】