<J1:広島1-0浦和>◇第1節◇10日◇広島ビ

 昨季15位から巻き返しを目指す新生浦和が、また開幕戦で完封負けを喫した。ペトロビッチ新監督(54)が昨季まで指揮を執った広島に完敗。これでJリーグ創設以来、アウェー開幕戦の戦績は0勝2分け11敗となり、5年連続の完封負けを喫した。

 練習で控え組に入ることが多かった、左膝の故障から復帰したMF山田直を攻撃的MFの右サイドに抜てきし、MF柏木をボランチに下げて起用。DFからボールをつなぐ「攻撃的パスサッカー」を目指したが、同監督が6年間指導した広島の方が戦術が熟練されていた。左太もも打撲をおして出場したDF槙野は「同じサッカーを目指すチーム。正直、広島さんの方が質も運動量も上」と脱帽した。

 昨季までのサイドから個人の力でゴールを目指すサッカーから戦術を大きく変えたが、約7週間の準備期間ではまだ完成度が低かった。日本代表のザッケローニ監督、U-23(23歳以下)代表の関塚監督も視察に訪れたが、U-23代表のMF原口はシュート0本。「難しいサッカーなので、これをやり続けないといけない」と反省した。

 ペトロビッチ監督は「落ち着き、コンビネーションが足りない。ただ今日見せてくれた強い気持ちがあれば、もっといい攻撃的サッカーが見せられる」と前向き。次節のホーム開幕柏戦(17日)まで、オフの予定はない。【保坂恭子】

 ◆浦和のJ1開幕戦

 08年からJ1ワースト記録となる5年連続完封負け。アウェーでのJ1開幕戦に限ると、93年のJリーグ創設以来いまだ勝ちなしの2分け11敗(ホームでは4勝2敗)。