<J1:神戸3-0大宮>◇第9節◇3日◇ホームズ

 神戸が大宮を下し、公式戦11試合目で今季初の完封勝利を収めた。和田前監督の解任を受け、この試合から暫定的に安達亮ヘッドコーチ(42)が指揮を執る中、ユースからの生え抜きで今季初先発のMF小川慶治朗(19)が前半3分に先制点を奪うなど攻守に圧倒した。次期監督の最有力候補、元G大阪監督の西野朗氏(57)とは現在交渉中で、今月中の就任決定を目指す。

 19歳は迷わずベンチに走った。前半3分。MF小川は相手DFのクリアミスをスライディングでゴールに押し込んだ。今季初先発に抜てきしてくれたユース時代からの恩師、安達ヘッドコーチと熱い抱擁を交わした。

 「皆で取ったゴールだと思う。なんであそこにボールがこぼれたか分からない。覚えてないけど、皆で走った結果だと思う。サッカーは走るスポーツ、走ったら点を取れるんです」。永島、大久保ら歴代のエースがつけてきた背番号13を今季から背負う。今季6試合目で2得点と結果を着実に残している。

 小川の先制点に引っ張られ、後半15分にはMF野沢のFKを韓国から新加入のDFイ・グァンソンが頭で押し込み来日初得点。同23分には途中出場FW茂木が今季初得点を奪い、試合を決めた。

 FW大久保、田代をケガで欠く中、一丸となってつかんだ勝利だった。クラブ側は4月30日に成績不振で和田前監督を解任。選手らは監督交代はチーム全体の責任と受け止めていた。安達ヘッドは「小川が早い時間に点を取ってくれてだいぶ楽になった。勝った瞬間、和田さんがテレビの前で泣いてくれるんじゃないかと思った。皆で勝ち点3をプレゼントできてうれしい」と喜んだ。

 あくまで次期監督就任までの暫定指揮となる安達ヘッドは「勝ち続けている間は監督をやらせてくれないかと言っているんです」とジョークも飛び出した。和田前監督は昨年までのカウンターに加え、ボール保持率も高める戦術を試みてきたが、安達ヘッドは前線からプレスをかけてカウンターに徹する昨年のスタイルに原点回帰している。

 主将FW吉田は「中途半端につないで支配するより、去年の方がいい」と打ち明け「それをはっきりさせたことで全員の責任感が出た。今の時点ではこのサッカーがベスト」と今後の反撃に自信を見せた。【福岡吉央】