鹿島の五輪代表候補DF山村和也(22)が、強行出場で五輪切符獲得に最後までアピールする。29日に茨城・鹿嶋市内で行われた練習中、右太もも裏の張りを訴えて途中で切り上げた。以前から違和感のあった部位とはいえ、右足甲の打撲もあって大事を取った。クラブハウス内で治療に専念した山村は、今日30日のアウェー新潟戦に「出るつもりでいます」と、あくまでも出場に意欲を見せている。

 チームは急きょDF昌子を同行させ、19人で敵地に乗り込むことを決めた。それでも「ここで休むわけにはいかない」と強行の姿勢を示すのも無理はない。7月2日の同代表メンバー発表前、最後の試合になるからだ。18人という狭き門に加え、OA枠にはA代表から吉田と徳永の選出が濃厚。「DFラインに2人も入ったのは少し驚いた」と危機感とともに、チーム発足時から主将としてチームを引っ張ったプライドもある。

 対する新潟には、センターバックとして枠を争うDF鈴木大輔もいるが、DFにとって完封が一番の近道。「試験のような気持ち」と勝負の時を前に、自らを奮い立たせた。【栗田成芳】