<J1:清水1-1東京>◇第25節◇15日◇アウスタ

 清水FW大前元紀(22)が5年目で初めて2ケタ得点を記録した。前半41分にゴール中央から鮮やかに決めたが、貴重な1点を守りきれず東京とドロー。8位に後退した。

 ホームアウスタで清水FW大前の笑顔がはじけた。前半41分、中盤の高い位置でボールを奪いドリブルを開始。一瞬だけ目線を上げ、ゴールに狙いを定めると右足一閃(いっせん)。ブロックに入った相手DFの足をかすめながらも、豪快にゴール左に突き刺した。優位に試合を展開しながらも、得点が奪えない嫌な雰囲気を一掃する先制点だった。

 同時にこの1点で08年流通経大柏から清水入団後、初の2ケタ得点も記録した。札幌戦で自己最多得点を更新する9ゴール目を決めた時、大前は「ここで満足してもしょうがない。自分が2ケタ得点しなければ、優勝はない。このままチームのために得点を重ねていきたい」と、強い決意を明かしていた。その言葉通りの活躍で「ヤングエスパルス」を最前線からけん引した。

 しかし、結果は無情だった。後半14分にCKから痛恨の同点ゴールを献上。FWアレックスとFW白崎、FW伊藤を次々と投入した交代策も実らずに無得点。勝ちきることができなかった。第1戦を1-2で落としているナビスコ杯準々決勝に向けても、後味の悪い引き分けとなった。【前田和哉】