伝統の「クラシコ」で戦うことを夢見た2人がいる。清水FW高木俊幸(21)と磐田に途中加入したMF小林祐希(20)だ。高木は右太もも裏の肉離れからリーグ4戦ぶり復帰が濃厚。小林祐はJ2東京Vで1歳上の先輩だった高木に対抗心を燃やす。6日の「静岡ダービー」が夢の対決の第一歩になる。

 ピッチに入れば、先輩も後輩も関係ない。3日、磐田は午後練習で調整。東京Vユース時代、高木の1学年後輩だった小林祐は当時を振り返り、プロ入り後初となる対戦に向けて意気込みを語った。

 小林祐

 (高木は)ボールを持てば裏に抜けるし、パスを出せば決めてくれる選手だった。動きながらいろんなプレーができる。目の前でどんなプレーをするのか楽しみ。

 普段から頻繁に連絡を取り合い、オフシーズンには家に泊まりに行くこともある。相手は一足早くJ1でプレーする先輩だが、敬語を使わないほどの関係だ。小林祐は「あいつにだけはやられたくない」と語気を強めた。

 再会の舞台は伝統の一戦。しかし、シーズン途中から加入した小林祐にとって、初の「ダービー」はただの1試合に過ぎない。負ければ清水との順位は入れ替わる。上位チームとの勝ち点差を縮めるためにも負けられない。周囲の盛り上がりとは対照的に「燃えるものはあっていいことだけれど、冷静さを保てている選手が優位に立つ」。

 ここまでリーグ6試合に出場。天皇杯では最大の武器でもある左足で豪快なミドルシュートを突き刺した。この日もゲーム形式のメニューで得点に絡むプレーを見せるなど、先発出場に向けて猛アピール。小林祐は「エスパルスをどう倒すかということだけを考えたい」と力を込めた。J1初ゴールは先輩がいる清水から奪う。【神谷亮磨】