逆襲へのラストピースが戻ってきた。大阪・堺でキャンプ中の仙台は13日、大産大と練習試合を行い、4本合計9-0で勝利した。4本目には昨年11月に右膝前十字靱帯(じんたい)を断裂したDF上本大海(31)が途中出場を果たし、7カ月ぶりの実戦復帰。手倉森誠監督(45)はナビスコ杯準々決勝第2戦での起用も視野に入れるなど、守備の要が公式戦のピッチに立つ日は近い。

 ピッチに足を踏み入れた上本の満面の笑みが、ここに至るまでの苦しさを物語っていた。しかし、すぐに勝負師の顔になる。相手FWにくさびのパスが入ると素早く、激しい寄せを披露。強気のラインコントロールも健在。出場はわずか9分間だったが、縦パスを何度もオフサイドで引っかけた。「まだまだ。チームがすごく仕上がってるから、ついていくのがやっとだよ」。冷静に振り返った後で「サッカーは楽しいね。子どもに戻ったような時間だった」と本音が漏れた。

 「本当に厳しい7カ月だった。スタッフやサポーターのおかげ」と感謝を口にする。昨年11月7日のC大阪戦。右膝があり得ない方向に曲がった。今年に入って初めてボールを蹴った時の痛みは強烈だったという。「ドアに指をはさんだ時みたいに、ギュッと体が縮こまるんだよ」。苦しいリハビリを乗り越えてきた今は「メンタルが鍛えられた。これも(日本代表の)本田が言う『個のレベルアップ』でしょ?」と笑える。

 一方で、まだ本格復帰への階段を1つ上ったにすぎないのも事実。「自分が一番分かってる。油断したら再断裂もあるし、怖さはある」。それでも手倉森監督は「大きな1歩。もともと中断明けくらいにはと思っていたし、ナビスコの第2戦に間に合えば」とうなずいた。上本、鎌田のセンターバックコンビに、菅井と石川の両サイドバック。この日、ラスト9分間で組んだ最終ラインの実現はそう遠くない。【亀山泰宏】