クラブ初の4強も夢の日の丸も、可能性がある限り諦めない。仙台DF角田誠(29)が今日30日のナビスコ杯準々決勝、川崎F戦へ気勢を上げた。23日の第1戦を回避する要因となった左太もも裏のケガが癒え、先発復帰が確実。29日のミニゲームもレギュラー組の中心で指示を飛ばし、全体を統率。「点を取らないと始まらない。受け身にならず、どんどんプレッシャーをかけて、早い時間に点を取りたい。その後のことは取ってから考える」とアクセル全開で入り、一気に押し込むプランを描く。

 チームを勝利に導くことで、自らの道も切り開けるかもしれない。7月下旬に韓国で開催される東アジア杯に出場する日本代表は、Jリーグ所属の国内組が中心となる見込み。来月10日には30歳になるとあって「若くていい選手がいっぱいいるから、そっちが優先的に選ばれるでしょ」と謙虚に話すが、仙台のフィールドプレーヤーでは代表に最も近いことに変わりはない。「(16日の)チャリティーマッチでも思ったけど、他のクラブの選手とやることでつかめることも多い。行きたい気持ちはある」というのが本音だ。

 1-0、もしくは2点差以上での勝利が必要な一戦。川崎Fも第1戦で不在だった日本代表MF中村が復帰するとみられる。「(中村が)出たら燃えるとかはないよ。(手ごわいから)出えへん方がいい」と笑うものの、J屈指のゲームメーカー相手に実力を示すチャンス。「この(中断の)1カ月で勝つ喜びも忘れてる。勝つことでチームも乗っていけるからね」。闘将がユアスタに歓喜をもたらす。【亀山泰宏】