<J1:東京0-2横浜>◇第21節◇17日◇味スタ

 横浜は東京に完勝し、引き分けた広島に代わって首位に立った。

 横浜がMF中村俊輔(35)の真夏のスーパーゴールで、113日ぶりに首位に返り咲いた。1-0の後半44分、中村はペナルティーエリア手前でMF長谷川と対峙(たいじ)すると、巧みなフェイントを披露。右、左、右と3度切り返すと、最後は左足でゴールネットに突き刺した。

 夏の戦い方を知っている。「こう暑い方が、相手の足のプレッシャーもゆるむ」。前半14分に得た左CKでは、ゆっくりとコーナーフラッグへ歩みを進めると、ドリンクを飲み、しゃがんでソックスの緩みを直した。背後の東京サポーターの大ブーイングにも動じない冷静な行動だった。日が暮れても、30度近い気温のピッチで呼吸を整え、試合終盤の一撃につなげた。

 これでチームは3連勝で、7月13日の大宮戦から6戦負けなし。日本列島は猛暑日が続いているが、横浜はバテる気配がない。中村は「夏場特有というか、これだけ暑いのはあまり経験ないけど、なんだかんだ言って最後はメンタル。うちには40歳(ドゥトラ)もいるので、プロフェッショナルとして気が引き締まる」と、アラサー、アラフォーの同僚の存在が刺激になっている。

 昨季は4月末から15試合連続無敗記録を樹立したが、8月25日のC大阪戦から3連敗を喫し、結果的にこれがACL出場を逃す要因となった。中村は4月26日以来の首位奪還にも「全然気にならない。去年はこの時期にガス欠したんで、そうならないようにしたい」。盆も過ぎた、これからが正念場だ。【由本裕貴】