楽天にも、かつての戦友にも負けるわけにはいかない。仙台は今日28日、ホームで横浜を迎え撃つ。FW柳沢敦(36)は、横浜MF中村俊輔(35)との元日本代表対決へ闘志を燃やした。前日26日に初優勝を決めた楽天に続くべく、首位たたきでサッカー界からも杜(もり)の都にホットなニュースを届ける。

 9月に入って定位置を確保しつつある柳沢は、横浜戦も先発が濃厚だ。27日のミニゲームは主力組に入り、前線からのプレスやクロスへの入り方など、随所で巧みな動きを披露。14日の大分戦はゴール、21日の大宮戦はアシストといずれも点に絡み「サイドからのクロスに対して、中に複数いられるかがポイント」と、チーム好調の要因を語る。

 首位横浜をけん引するのは、06年ドイツW杯などでともに戦った中村。ここまで自己最多タイの9得点。代名詞の左足は35歳にしてさらに磨きがかかっている印象もあるが、柳沢は「彼は常に時代の最先端を走ってきた素晴らしい選手だからね」と驚くそぶりもない。一方で、前節清水戦でDFヨンアピンのラフプレーにエキサイトした場面に着目。「俊輔は相手の挑発には乗らないタイプ。代表でも、あんなに興奮したのは見たことがない。それだけ気持ちが入ってるってことなのかな」。今季にかける熱い思いを画面越しに感じ取り、刺激を受けた。

 前日26日、楽天の初優勝で、さらに火が付いた。テレビのニュース速報を見て、慌ててチャンネルを変えたという。「球団創設9年での偉業。本当に素晴らしい。選手をはじめ、みんなの努力の結果だと思う」。称賛だけでは終わらない。「そういういい流れも力に変えて、もっと仙台をスポーツで盛り上げていけたら。(横浜に)勝って、まだ優勝を諦めてないぞというところを見せたい」と、付け加えた。

 リーグ戦は残り8試合。横浜、広島、浦和の上位3チームとの直接対決を残しているのは仙台だけだ。「自分たちの力で順位を上げていけるということ。絶対に負けられない大きな一戦」。百戦錬磨のベテランも、ビッグゲームを前に燃えている。【亀山泰宏】