磐田は23日、磐田市内で、27日のホームでの清水戦に向けて調整を行った。前節川崎F戦で右ふくらはぎを打撲したGK八田直樹(27)は、前日22日の練習は早退したがこの日はフルメニューをこなし、ダービーへの強い意欲を見せた。

 GK八田は川崎F戦でのロスタイムに交錯から右ふくらはぎを打撲した。試合後は足をひきずり、22日も大事を取って切り上げたが、この日はフルメニューをこなした。「最初は歩くのも響いていたけど、自分でどこまでできるか確認したかった。100%力を出そうとしたらできたので、大丈夫。時間が解決してくれる」と力強かった。

 次節、甲府が勝ち、磐田が負ければJ2降格が決まる。94年から20年にわたって歴史を紡いできた「静岡ダービー」を終わらすわけにはいかない。八田は「自分たちが今季、ふがいない戦いをして今、この順位になってしまって…。静岡はサッカー王国と言われ続けてきて、エスパルスは毎試合、気持ちの入った試合をやっている」。

 清水は天皇杯3回戦でロスタイムに2得点、前節鳥栖戦でも1人退場で欠いた後に2得点を挙げた。その例を挙げ「試合を見てなくても結果だけで気持ちが伝わる試合をしている。僕たちにもそういう部分が必要。逆に、僕らは残り少しの時間帯にやられているのが数字にも出てる。見てない人でも分かる、気持ちが伝わる試合をしたい」。

 川崎F戦では敗れはしたが、八田の好セーブが光った。「勝ててないので何とも言えないけど、チームメートが体を張ってくれていたので僕も守りやすかった。感謝することがたくさんある」と振り返る。清水は新加入の大前元紀が好調だ。「(大前は)海外から帰ってきて自信をつけているし、気を付けないと。どういう状況であっても最後まで戦うのがプロ。結果を出すだけ」。サッカー王国静岡とプロの誇りを胸に、八田が体を張って守り抜く。【岩田千代巳】