<J1:磐田0-1清水>◇第30節◇27日◇ヤマハ

 今季3度目の「静岡ダービー」は、壮絶な戦いの末に清水に軍配が上がった。敗れた磐田は、今季6度目の連敗。次節アウェー鳥栖戦で引き分け以下ならクラブ史上初の降格が決まる。

 PKの1発に泣いた。キックオフ前に15位甲府が引き分け、この日の降格決定はない。それでも、残留のためには勝ち続けるしかない中、FW金園英学(25)のシュートなどで猛攻を仕掛けたがゴールが奪えなかった。試合終了と同時に肩を落とす選手たち。サポーターの一部は涙を流し、清水サポーターの「じぇ・じぇ・じぇ、J2」「格下」「あばよ」とからかう横断幕を見詰めた。

 試合で主導権を握っていたのは磐田だった。関塚隆監督(53)は「サイドの攻防がカギ」とし、左サイドバックにDF安田理大(25)を初先発に起用。左右両サイドからチャンスをつくり、守備陣もMF松岡亮輔(29)がゴール前で決定的シュートをはね返すなど無失点で奮闘した。けがから約1カ月ぶりに試合復帰したMF山田大記(25)は、金園にタイミング良くパスを送るも「2本ぐらい、1メートルずれてしまっていた。ゾノには申し訳なかった。ゴール前のこぼれ球が自分のところに来てチャンスがたくさんあっただけに、決めていれば…」と悔やんだ。

 次節鳥栖戦で引き分け以下なら、甲府の結果に関係なく、クラブ史上初の降格が決定する。安田は前に向かう姿勢で左サイドを崩した。「自分のクロスの質も低かった。降格が決まっても決まらなくても全力でやるだけ。それが個人個人の次につながる」と必死に前を向いた。【岩田千代巳】