清水に故障者が続出している。2部練習でトレーニングを再開した12日、前節川崎F戦で負傷退場したFW大前元紀(23)の診察結果が全治3週間と発表された。加えて、磐田戦で右足首を痛めたFW高木俊幸(22)も別メニュー調整中。GK櫛引政敏(20)も途中で練習を切り上げるなど、16日に行われる仙台との天皇杯4回戦(午後1時、アイスタ)は主力不在で臨むことになりそうだ。

 主力の相次ぐ離脱に、アフシン・ゴトビ監督(49)も「長年監督をやってきて主力2人が相次いで試合前半にけがをした経験はない」と、苦笑いするしかなかった。天皇杯4回戦を前に、チームは野戦病院状態だ。磐田戦で右足首を痛めたFW高木俊は、現在も別メニュー調整中で欠場が濃厚。川崎F戦で負傷退場した大前もこの日、左膝内側側副靱帯(じんたい)損傷および左足関節捻挫で全治3週間と診断を受け、欠場が決定的となった。さらに、櫛引も午前中の練習中に左足首付近の痛みを訴えてグラウンドを後にした。

 それでも、16日には試合が待っている。指揮官は「特別な存在がいない中、選手の起用で状況を打開するのか、システムを変更するのか。今あるオプションの中からチームとして解決していきたい」。残された3日間で勝利へのプランを固めていくことを誓った。

 天皇杯は、今季残された唯一のタイトルだけでなく、アジア・チャンピオンズリーグの出場権も懸かっている。MF杉山浩太主将(28)も「代わりのメンバーがいるし、不在を感じさせているようではダメ。全員で、勝つために調整をしていきたい」と語気を強めた。だが、雲行きが怪しくなってきたことは否めない。【前田和哉】