J2札幌に、緊急ミニキャンプ案が浮上した。10日に札幌・宮の沢白い恋人サッカー場で予定されていた練習は前夜からの降雪で中止となり、選手は急きょオフとなった。明日12日から同所で練習再開予定だが、グラウンドコンディションの回復は望み薄。クラブ担当者は16日のアウェー湘南戦(BMWス)に向け、前倒しで関東に入る可能性を示唆した。

 12日間の沖縄1次合宿、31日続いた熊本での2次合宿を終えた札幌を、地元で待っていたのは、まさかの白銀ピッチだった。膝下まで埋まるほどの雪が練習場を完全に包み、この日の練習は早々と中止が決まった。「早めに(湘南戦の行われる)関東に入って練習することになるかもしれませんね…」。長期不在で山積みになったクラブハウス内の荷物を片付けながら、チーム広報がつぶやいた。

 9日に札幌ドームで行われた今季ホーム開幕の山形戦後、翌朝までに積もった雪は28センチに及んだ。10日に実施予定だった練習試合には、移籍加入したばかりのFW都倉賢(27)が出場する可能性もあったが、それもお預け。Jリーグの選手登録が湘南戦に間に合っても、リーグ戦出場スケジュールには影響が出そうだ。

 札幌管区気象台は「北海道は冬型の気圧配置で今後も日本海側の地域は雪が降りやすい。雪を溶かすのは雨と日照ですが、雨は望めませんし、今の日照では1日に3センチ減るのがやっと。暖かくなるのは16日か17日あたり」と話す。今週は明日以降もピッチ状態の回復は望めそうにない。

 クラブ担当者は「今後についてはこれから。本州や苫小牧、室蘭を探すことも考えられます」というが、10日夜には室蘭で16センチ、苫小牧でも12センチの積雪があった。苫小牧市内グラウンドの管理事業者も「とてもサッカーができる状態にはありません」といい、道内で練習場を確保するのは極めて難しい。札幌は湘南ともお天道様とも戦い、勝ち点3を奪う。