<J1:徳島1-2新潟>◇第9節◇26日◇鳴門大塚

 昇格1年目の徳島が、J1ワースト記録に並ぶ開幕9連敗を喫した。現行の90分間制で11年福岡に並び、小林伸二監督(53)は「ここまで勝てないものなのかな…」と息を吐いた。体を張った守備で粘るが、勝負弱い。前半35分から5分間で2失点。後半44分にホームJ1初ゴールをDF李が奪って1点差に迫ったが、遅かった。

 根本的な力不足だ。昨季はJ2で4位。プレーオフを制して四国初のJ1昇格を遂げたが、開幕から得点2、失点28と苦戦が続く。大型補強がなく、J2が主戦場だった若手を経験させながら戦っている。99年の京都入団以来、4度のJ1昇格を経験したMF斉藤主将は「J1では個の能力でやられる。それで自信をなくしている状態」と話す。

 ただ、チームの雰囲気は「思われるほど悪くない」と続けた。決起集会でも「下を向かず経験を積もう」と割り切っており、この日も後半だけなら1-0。J1相手に45分ハーフで初めて上回り、応援席からブーイングではなく拍手が送られた。小林監督は「後半の勢いを続け、中断までの5試合で何とか勝ち点を取りたい」。不名誉な新記録となる開幕10連敗が迫るが、力の差を認め、泥沼の中で足だけは動かそうとしているようだった。【木下淳】

 ◆J1開幕連敗記録

 現行の90分間制では「9」が最長。徳島は11年の福岡に並び、次節の29日アウェー甲府戦で敗れると3年ぶりに記録更新となってしまう。延長戦で勝敗を決した93~02年を含めるとワーストは96年京都の「17」。98年福岡の「9」、99年京都、97年名古屋の「6」が続く。