<J2:札幌0-1京都>◇第26節◇10日◇札幌ド

 札幌は京都に敗れ、今季初の3連敗を喫した。0-0の後半25分に、元日本代表でリーグ得点トップの京都FW大黒将志(34)に先制点を許し、そのまま逃げ切られた。3戦連続無得点での敗戦は財前恵一監督(43)就任後初で、J2では11年以来3年ぶりとなった。連敗が始まった7月30日横浜FC戦から270分、シュート45本で無得点と深刻な決定力不足に陥った。

 決定力の差が明暗を分けた。0-0の後半5分、MF荒野とのパス交換から最後はFW内村が右足でミドルシュートを放つも、ボールは右ポストに嫌われ無得点。同11分には、荒野の縦パスに反応したMF宮沢が、完全に相手DFの裏を突いて抜け出した。GKとの1対1。右足で狙ったシュートはゴール左に外れた。

 飛び出すまでの駆け引きは完璧だったが、決めきれなかった。宮沢は「あそこで僕が決めないと。申し訳ない」と謝罪した。同20分、内村のパスを受けたFW都倉が、戻りながら左足を振り抜くも、シュートはGK正面を突いた。その5分後、カウンターから大黒に得点を決められ、そのまま試合が終わった。

 財前体制初となる3試合連続無得点での敗戦。指揮官は「ワンチャンスを決められ、うまく試合を進められてしまった」と悔やんだ。京都のシュート数5本に対し札幌は16本。3試合シュート45本で不発と、深刻な得点力不足を露呈した。

 リーグ得点ランク1位の大黒は、これで17点目。札幌はMF砂川の4点が最高で、26試合を消化して2ケタどころか5得点の選手すらいない。ペナルティーエリアまでは崩しても、得点を挙げなければ勝利はない。財前監督は「チャンスで決めていればという試合だった。最後の集中力。最後まで自信を持ってプレーすること」と課題を挙げた。

 残り16戦。J1への可能性を残すには、ここからいかに修正して、はい上がるかがポイントになる。無得点での3連敗は、J2では11年10月22日の鳥取戦以来。同年は、この連敗がカンフル剤となり、リーグ終盤から巻き返し、昇格につなげた。宮沢は「いかに冷静に決められるかが、上にいくための力になる。練習からやり直したい」と再起を誓った。逆境をバネに、出直しを図る。【永野高輔】