44番が帰ってきた!

 左太もも裏痛で離脱していたJ2札幌MF小野伸二(34)が22日、札幌・宮の沢のチーム練習に合流した。10日の京都戦で発症し1度は復帰も、15日の練習後に再発。17日の山形戦出場を回避し、別メニュー調整を続け1週間ぶりに復活した。25日の次節栃木戦(札幌ドーム)での戦列復帰が濃厚で、4連敗中のチームを、ベテランMFの力で立て直す。

 充実した表情が、コンディションの良さを物語っていた。この日の小野は、6対6のゲーム形式で右足3、左足1、計4本のミドルシュートを放ち、体のキレをアピール。1週間ぶりの合流に「もう違和感はない。ここまで順調にきている。後は次の試合(栃木戦)に選ばれるようにやっていきたい」と振り返った。

 再発防止へ、慎重を期した。10日の京都戦で患部の張りを訴え11、12日のオフと、13、14日の別メニュー調整で疲労を取り除いたつもりだった。だが、全体練習に復帰した15日の紅白戦後、再び太もも裏の張りを発症。4日間では、ベストの状態には戻らなかった。

 17日の山形戦は「無理をして長期離脱したら迷惑をかける」と、財前監督とメディカルスタッフと話し合い、出場回避。ケアを最優先した。16日から4日間、患部への負荷を下げるため屋内調整で疲労を取り、張りがひいた20、21日の2日間は古辺コーチの元、芝の上でのフィジカル練習で、絞り込んだ。「休んでいた分をしっかり上げたかった」。前回から2日増やし、全6日間の復帰メニューで、疲労回復とコンディションの再調整を済ませ、万全な状態で帰ってきた。

 財前監督は「動きは問題ない。先発か途中出場かは、あした(23日)の状態を見て判断したい」と話しており、リバウンドがなければ、次節栃木戦から戦列復帰する。

 惜敗した20日の天皇杯清水戦は映像でチェック。「ボールは動かせていたし、嫌なところもつけていた。セットプレーの点もいい形だった。あとはプレーの質とシュート精度を上げること」。現在、公式戦5連敗も、改善の芽は出てきている。小野のアイデアと技を融合し、もう1度、最後のワンプレーまで詰めていく。【永野高輔】