<J1:清水1-3鹿島>◇第21節◇23日◇アイスタ

 清水は鹿島に逆転負けを喫し、今季4度目の連敗となった。前半31分にFW大前元紀(24)が公式戦3戦連続ゴールとなる先制点を決めたが、後半16分にDF吉田豊(24)がPKを献上。同点とされると、後半21分にはDFイ・キジェ(23)の一発退場で完全に流れを失い、立て続けに2失点。鹿島戦はホームでは08年から6戦負けなし(4勝2分け)だったが撃沈した。

 清水サポーターのため息がスタジアムを包んだ。ホーム日本平で相性抜群だった鹿島に喫した7戦ぶりの黒星。選手は力なくグラウンドを1周し、スタンドに頭を下げ続けた。大榎克己監督(49)も「非常に残念…」と肩を落とした。

 前半31分、FWノバコビッチ(35)のパスを受けたMF石毛秀樹(19)が、頭でゴール中央へ落とす。最後は走り込んだ大前が、左足一閃(いっせん)。豪快にネットを揺らした。大前は「1点リードで折り返せたことは良かった」。プラン通りの展開で勢いに乗ったはずだった。

 しかし、後半に悪夢が待っていた。同16分、DF吉田が献上したPKで同点とされると、相手が退場者を出した直後の同21分には、DFイがまさかの一発退場。数的優位に立ったのはわずか3分だけ。1度失った流れを取り戻せるはずもなかった。この反則で与えたFKを直接決められると、同27分にも失点して万事休す。エースの3試合連続得点も空砲に終わった。

 これで今季4度目の連敗となった。新指揮官就任後「進んでいる方向は間違っていない」と選手が感じる手応えとは対照的に、なかなか結果が出ない。それでも大前は「今日も良いシーンはあった。精度を高めていくしかない。ブレずに続けていくことが大事だと思う」と強調する。今後迎える、鳥栖や浦和など上位勢との戦いに向けて視線を上げた。【前田和哉】