キャプテンが連敗阻止へけん引する!

 J2札幌は23日、札幌・宮の沢で紅白戦を行い、主将のMF河合竜二(36)が、主力ボランチに入った。明日25日の次節栃木戦(札幌ドーム)は、リーグ5試合ぶりの先発復帰が濃厚となった。河合が左すね肉離れで先発を外れた7月30日の横浜FC戦から、チームは4連敗。復活した闘将の統率力で、自身が得点した7月26日の愛媛戦以来、5戦ぶり勝利に導く。

 竜二アニキが、勢いを呼び戻す。この日の紅白戦では、開始前にFW内村と話し、小休止ではサイドバックの石井、ボランチの宮沢にアドバイスを送った。練習後はクラブハウスで、選手間ミーティングを実施。主将としての役目を終えると、最後はマッサージなど自身のボディーメンテナンスに約3時間を費やし、先発復帰への準備を整えた。

 左すねの肉離れで先発を外れて以降、4連敗と負の流れが止まらない。「悪い状況だが、みんなが気持ちを出せるように引っ張っていきたい。今は勝利だけが必要」。自らゴールを決めた7月26日の愛媛戦まで4勝2分けと好調も、この4連敗でチームは6位から一気に13位まで順位を落とした。財前監督が「いるだけで大きく違う」と信頼する精神的支柱が、5戦ぶりの先発出場で、傾きかけた流れを立て直す。

 プロ18年目。浦和と横浜で計2度の戦力外通告を受けながら、はい上がってきた。その根源には、戦う気持ちと、絶対に負けたくないという強い執念がある。不在の間、トンネルを抜けられなかったチームを変えるため、闘将は3つのポイントを挙げた。「声を出す、1歩寄せる、相手より早く戻る。精神論になってしまうが、そういう基本的なところを出し続けられる選手が上にいけるし、強いチームになれる」。勝つためのシンプルなカワイズム注入で、連敗を4で止める。

 勝てば小野加入後、初のホーム白星となる。札幌入りを強く誘った者として、早くホームで喜びを分かち合いたい。「伸二が来てくれたことで、たくさんの人が見に来てくれるようになった。ここで勝利を届けて、またスタジアムに来てくれるようにしないと」。小野との“OKライン”は、栃木戦で、そろって先発復帰が濃厚。経験豊富な70歳コンビで、6連敗中の相手をKOする。【永野高輔】