C大阪のMF南野拓実(19)が今冬、オーストリアの強豪ザルツブルクに移籍する可能性が22日、高まった。近く正式オファーが届くことが確実となり、年内にも代理人とC大阪側が移籍を前提にした交渉の場を持つ。ザルツブルク側は、19歳の若手選手としては異例の移籍金125万ユーロ(約1億8750万円)以上を準備しているものとみられ、一気に正式決定する可能性がある。

 来季J2降格が決まったC大阪は、海外に限って移籍を容認する姿勢を示している。南野も欧州移籍を希望。10日にはU-21(21歳以下)日本代表の東南アジア遠征の合流を遅らせてまで極秘でオーストリア入りして施設見学をしていた。移籍金と個人の条件面で合意した上で、年明けまでに欧州他クラブからオファーがなければ、ザルツブルクへの移籍が実現する。

 今季のザルツブルクは、リーグ戦で2位ボルフスベルガーに勝ち点8差をつけて首位を独走中。現在は冬季中断に入り、来年2月15日に再開する。欧州CLに次ぐ大会でもある欧州リーグでは、1次リーグの大会最多21得点で決勝トーナメント進出が決定。南野が欧州での第1歩を刻むには、最高の環境になる。

 ◆レッドブル・ザルツブルク

 1933年創設。ザルツブルクを本拠地に置き、オーストリア1部に所属。00年代初めに財政難で破産寸前になったが、05年に大手飲料メーカーのレッドブルがクラブを買収。現在の名称に変更した。06年12月には当時日本代表だったDF宮本恒靖と三都主を獲得。リーグ制覇8度。本拠地はレッドブル・アリーナ(収容3万人)。