プレミアリーグで、日本代表FW岡崎慎司(29)が所属するレスターが快進撃を続けている。

 3日のサウサンプトン戦にも1-0で勝ち、2位トットナムとの勝ち点差を7に広げた。

 トットナムが残り6試合で全勝しても勝ち点80。レスターは6試合で4勝するか3勝3分けの成績を残せば勝ち点81となり、初優勝が決まる。

 レスターは昨季プレミアリーグに復帰。初年度は残留争いに終始した。だが今季は序盤から白星を重ね、サポーターを大いに熱狂させている。

 小規模クラブのプレミア制覇というサクセスストーリーに酔いしれているファンは多いと思うが、その一方で「なるべくなら優勝しないでほしい」と思っている人ももちろんいるだろう。

 その代表格が英国のブックメーカー(賭け会社)ではないだろうか。

 多くのブックメーカーで、レスターの開幕当時のオッズは5000倍だった。

 米ESPN(電子版)によると大手ブックメーカー「ウィリアム・ヒル」のスポークスマン、シャープ氏は、レスターが優勝した場合、英国のブックメーカーが支払う総額は1400万ドル(約16億1000万円)に上ると試算しているという。

 オッズが5000倍の時点でレスター優勝に賭けた人は、ウィリアム・ヒルだけで25人いるという。シャープ氏は「ギャンブラーたちにとっておとぎ話は生きている。一方、ブックメーカーにとっての悪夢はまさに現実になりつつある」と話している。

 米ラスベガスのカジノ「ウィン」のディレクター、アベロ氏によると、レスターが優勝すれば歴史的な出来事になるという。同氏は「そもそも他のスポーツで優勝オッズに5000倍がつくということがない。優勝候補でなくても、プレミアリーグにおける弱小クラブよりは勝つチャンスがあるとみられるからだ」と説明する。

 こんな調子なら、来季プレミアリーグでは下位クラブに賭けるファンが続出するだろう。だがうまい話はそうそうない。来季からはまた、マンチェスターU、マンチェスターC、チェルシー、アーセナルの4強でガチガチの優勝争いが繰り広げられたりして。

 【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)